大工技術の継承
現在はプレカット加工が主流の木造住宅建築です。
全体の93%がプレカットで加工されていると言われています。
プレカット加工は早く加工ができるので否定はしませんが
このままで良いのかとつくづく感じております。
徳島県の場合、現在約2000人いる大工さんがこのまま減少し続けると
30年後には600人になると予想されます。
一人でも多くの次代を担う大工さんを育成しないと
現在新築されているお客様宅のリフォームや修繕に対応できなくなります。
弊社では、大工さんの高齢化と技術継承に危機感を持ち、手刻みにこだわり
大工さんが本来の技術を身に付けることを会社の方針としております。
吉野杉の丸太
大工さんが手刻み真っ最中の、阿南市A様邸新築工事。
構造材の中で最も目立つのは、やはりこの丸太柱で
床から屋根まで一本物で通ります。
丸太の加工は大工さんの手でなければ、プレカット機械ではできません。(プレカットは角材しか対応ができません)
将来AIが発達したら不整形の材でも加工できるのでしょうかね~??
丸太の木が家の部材になるまで
現在切り組み中の入母屋伝統工法の家(阿南市A様邸)
この家では梁に丸太を使用しますが、丸太梁の切り組みが完了しました。
一本の木が家の梁になるまでの過程を紹介します。
材木屋さんから伐ったままの状態で作業場へ送られます。
まずは、虫が入らないように皮むきをします。
次に、カンナを使って成形をしていきます。
大工さんの経験が生かされます。
そして、切り組みをし家の梁になります。
熟練大工さんの見事な技です。
現代は、このような丸太を使う家は少ないかもしれませんが
次代を担う大工への伝統技術の継承は必須です。
弊社では、若年大工を積極的に雇用育成しながら伝統技術も習得し
家守りができる地域工務店としての役割を果たしていきたいと考えています。
優先順位
住宅業界はめまぐるしく変化し
消費者様にとっても私たち業者にとっても非常にわかりにくくなりつつあります。
下記3項目において弊社の家づくりの優先順位を整理してみました。
『自然素材でつくる家』『長期優良住宅』『ZEH』
家づくりをする上でこの3項目すべてが叶えられると理想なのですが
好みやご予算のことを考えるとそうはいきません。
では何を優先させるか、弊社がお薦めする順序は
自然素材でつくる家 > 長期優良住宅 > ZEH
となります。
『自然素材でつくる家』は、弊社にとって会社の方針そのものです。
無垢材や漆喰、和紙など自然素材を使用し、空気質のきれいな家をつくるのを基本としています。
そして無垢材や塗り壁を多用することで、必然と大工さんや左官屋さんの手仕事が増え
技術の継承に繋がっていきます。
『長期優良住宅』は、性能を担保したり、維持管理など
これまでの家づくりでは無かったノウハウが詰まっています。
とても大切な制度です。
『ZEH』は、消費者の皆様もZEH(ゼロエネルギーハウス)という文字が
最近よく目についたり耳にすると思います。
将来の電気料金やエネルギーのことを考えると
光熱費の収支をおおむねゼロにするのは家計にとっても大事なことです。
大工さんの技
先日完成お引き渡ししたU様邸でも、大工さんの技が光りました。
弊社の家づくりは、工業製品(工場生産の樹脂製品)を使わず
無垢材(本物の木)を使用するので
おのずと大工さんの技術が必要になってきます。
大工さんが、ノミ、カンナ、ノコギリ、差金等の手道具を駆使し
本物の木の家を建築しています。